スポーツと武道
【極真会館 中村道場 大阪なにわ支部】の最大の特徴は、両輪の稽古を行っている事です。
スポーツとしての空手の大会は、体力と強い気持ちを育てるのに最適な競技です。さらに、極真空手は、ここに武道としての精神性を重視し、それを取り入れた競技として昇華させております。
同時に当支部は、大会や競技にこだわらず、単にスポーツ的な動きではない、「武」の動きとしての空手、その奥に古くから伝わる「武」の思想を具現化した術理も稽古している道場です。
そのため、スポーツや格闘技色の強い試合競技はあくまでも自分を試す通過点として捉え、 最終的な目標は、武道としての術理を追求し、さらにその上の精神性、さらにその上の思想、『武』の境地を目指す道場として活動しております。
※少年部は稽古や試合を通して、武道の「礼儀作法」、その上の「思いやり」「謙虚さ」、さらにその上の「責任感」「人間力」育成を目指しております。
クラス紹介
強く・明るく・たくましく!
上記に難しい理念と方向性を書いておりますが、子供の稽古では、まずは、<楽しさ>をテーマとした内容で行っております。
実際、スポーツとして考える空手は楽しいものです。大きな声を出し、身体全身をあらゆる方向に動かすと元気になってきます。
大きな声で、ミットを突いたり蹴ったりする爽快感により、最近の子供特有のストレスを解消する効果もあります。
また直接相手の身体に打撃を加える組手の方法により、(少年部は安全のため、防具をつけますが)「痛み」を知ることとなります。
そこから忍耐、困難に打ち克つ強い気持ち、相手へのいたわり、人間本来の優しさを学ぶという考え方が、極真空手ならではの修行方法です。
ただし、決して試合重視ではありません。試合を目的にしてしまえば、試合に何度も優勝して、そこで終わってしまう、「燃え尽き症候群」に陥ってしまいます。
あくまでも試合は目標を達成するための過程であり、目的に近づくための手段にしか過ぎません。何よりも、強ければ良い、という考え方は当支部では否定しております。
当支部の目標、目指すべき目的は、「礼儀作法」「運動能力向上」「集中力と状況判断」「自信・積極性・目的」「責任感と思いやり」「強い気持ちを身につける」「コミュニケーション能力向上」「リーダーシップ力の育成」です。
求めているのは、これらが備わった上での「空手の強さ」です。
<強く・明るく・たくましく>子供たちが成長する手助けになれれば幸いです。
体力、気力、志。
極真空手の直接打撃性のルールの良い所は、空手として多肢に渡る技を攻防しつつ、顔面への手技の攻撃を制限しているため、脳障害の影響や顔を怪我する危険が少なく、アマチュアスポーツ競技として確立されている、という点でしょう。
そして、手による顔面(足による攻撃は有効)や急所(目や金的など)以外の攻撃はすべて認められているため、身体への激しい攻防が繰り広げられ、強靭な肉体、基礎体力などのフィジカル面が養成され、何事にも屈しない精神力の育成に最も適しているルール・稽古体系だといえます。
すなわち、安全に、確実に強くなれる技術体系を兼ね備えた武道競技といえます。
直接打撃性の試合を、『顔面攻撃がないから』あるいは、『武道・武術とは違う、ルール有りだから』と、見下してはいけません。
極真空手の試合は、実践武術のための勝負感や覇気をもった精神力の攻防をリアルに体現し、かつ安全に真剣勝負を疑似体験出来る数少ない鍛錬の場所であると云えます。
また、相手を敬い自己を高める礼法の場として、最高の状況設定であるといえます。
学生の皆さんは、無限の可能性を秘めており、学生時代に空手道で得た、精神力・体力・礼儀作法は、社会で一番求められており、一生の財産となります。
社会人の皆さんは、運動不足解消、健康維持、ストレス解消。人間形成やスキル向上の場として。
道場で得た活力、人間関係は、社会でも役に立ちます。
そして、何よりも、強靭な体力、精神力、公に対する志は、自己の人生を豊かなものに変え、社会貢献の礎になる事でしょう。
いつまでも活力が漲る人生を。
極真空手は、本来は極限まで追い込む稽古と、過激な組手を身上としてきましたが、時代と共に、稽古も洗練し始め、現在は誰もが安全に、安心して強くなれる稽古体系を確立しております。
空手の道場は様々な理念で行われておりますが、大きく二つの解釈で別れております。
一つは、スポーツ競技としての空手道場。もう一つは武道の奥深い術理を求める空手道場。
天王寺道場壮年部では、この二つを同時に求める稽古を行っております。
そしてそれぞれの体力に合わせた内容と間口の広い切り口で、スポーツ競技としても、武道としても、確実に上達出来る指導内容で稽古を行っております。
さらには、空手のみならず、柔道やレスリングの投技、グラップリングのサブミッション関節技、合気道の関節技、剣術、技の理合研究など、幅広い武道の稽古を行っております。
天王寺道場では、30代~70代までの方が多数在籍しております。
若い頃から、空手を始め年齢を重ねた人だけではなく、ほとんどの方が、初心者として40代~70代から入門し稽古を行う方ばかりです。中には、こちらの道場での空手稽古が、運動経験初めて、という方も多数おられます。
壮年部は、安全に、安心して、健康のため、体力向上・維持のため、趣味として、武道としての思想、礼節、術理を学ぶ道場として位置づけており、何よりも人間関係を大切にしている道場です。
空手の凛とした動きは、姿勢の正しさ、集中力を養い、
内面からの躍動美を生み出します。
女性にとって、直接打撃を加える<フルコンタクトカラテ>は敷居の高い武道ではないでしょうか。当支部では、安全面は基より、それぞれの体力・目的によって、きめ細やかな稽古を行っております。
女性でも壮年でも幼児でも、楽しく学べる稽古体系が備わっております。もちろん、女性競技者として組手試合の大会を目指す選手に対しても満足のゆく環境が備わっています。
また、試合や組手指向だけではなく、<型>も積極的に稽古をしております。
<型>は、型分解を行う事により、正しい身体の動かし方、技の術理を学ぶ事ができ、同時に武道としての思想、空手道の奥深さを学ぶ事ができる稽古方法であり、「型」試合も活発に行われております。
難しい理屈は抜きにして、空手の<型>や<基本稽古>は、怪我のリスクの少ない健康維持の運動としても利用できます。
※本来の型は危険な動きもたくさんあるのですが。
いずれにしろ、空手は、健康、美容、心と身体の活性化、護身術にも繋がる、万人向けの武道といえます。
創始者・指導者紹介
極真空手の創始者。総裁。大山倍達(1923年~1994年)
古くから伝わる空手道に、直接打撃制という新しい発想を取り入れ、独自の武道スタイルを創出した。
その理念と、実戦に基づいた圧倒的な実技は世界中に浸透し、日本の武道界のみならず世界の格闘技界にも影響を与え、今日に至っている。
何よりもその思想、武道論は理に適っており、分かりやすい言葉は、武道・格闘技界を超えて多くの人達に啓蒙を与えている。
「頭は低く目は高く、口を慎んで心は広く、孝を原点とし他を益す」
「正義なき力は無能なり、力無き正義も無能なり」
「受けた恩は忘れるな、受けた恨みは忘れてしまえ」
「実践なければ証明されない。証明なければ信用されない。信用なければ尊敬されない」
「金を失う事は小さい事である。信用を失う事は大きい事である。勇気を失う事は自分を失う事である。」
等々。著書多数。
国際空手道連盟 極真会館 中村道場総帥中村 誠
1952年6月20日。宮崎県西臼杵郡日之影町に7人兄弟の4男として生まれる。
幼い頃より格闘技に興味をもち、高校を率業した後・池袋の極真会館本部道場に入門。
大山倍達極真会館館長をはじめ多くの極真の獅子たらの下で極真魂の神髄、そして技を学ぶ。
その後、自らを厳しい修行の中に追いやり、アメリカをはじめ、アフリカなど海外での修行を経験する。数々の試練を乗越え、昭和54年第11回全目本空手道選手権大会に優勝。そしてさらに、その年第2回全世界空手道選手権大会で優勝。続いて、昭和59年第3回全世界空手道選手権大会においても優勝。前人未踏の2回連続世界チヤンピオンとなる。
今なお、真の強さを求めて。自己の修行に励む。
1977年 10月 第9回全日本空手道選手権大会第三位
1978年 11月 第10回全日本空手道選手権大会第三位
1979年 3月 アメリカ・アラバマ州空手選手権大会(重量級)第三位
1979年 4月 アメリカ・コネチカット州空手選手権大会(重量級)優勝
5月 第11回全日本空手道選手権大会優勝
11月 第2回世界空手道選手権大会優勝
1980年 11月 第12回全日本空手道選手権大会準優勝
1981年 11月 第13回全日本空手道選手権 大会準優勝
1982年 11月 第14回全日本空手道選手権大会出場
1984年 1月 第3回世界空手道選手権大会優勝
国際空手道連盟 極真会館 中村道場 代表中村 昌永
中村誠総帥の子息である。大学卒業後、道場職員として本格的に支部活動に参加し始め、諸先輩方より空手指導についての基本を学ぶ。2007年より選手としての才能が開花し始め、2010年全アジア‐75㌔級チャンピオンを皮切りに、全日本ウェイト制中量級及び軽重量級優勝、2015年世界大会日本代表という輝かしい戦績を積み重ねている。
2016年12月5日、組織独立を機に中村道場代表に就任。以来、国内支部の統括事業はもとより、海外支部拡大のためアジア、ヨーロッパ、中東、アメリカ及びアフリカ各大陸へ精力的に遠征しセミナーを開催。クオリティーの高い技術論・実演に裏付けされた指導内容と、その謙虚で快活な性格に海外道場生との心の交流が燎原の火のごとく広がっている。
2025年現在、自身に課した日々の稽古量を維持しつつ、国内外を東奔西走。組織の代表として中村道場の将来像を見据えている。
2010年 全アジア空手道選手権大会 優勝
2013年 第30回 全日本ウエイト制空手道選手権大会 中量級 優勝
2015年 第32回 全日本ウエイト制空手道選手権大会 軽重量級 優勝
2015年 第11回 全世界空手道選手権大会 日本代表選手 出場
国際空手道連盟 極真会館 中村道場 日本統括本部長
国際空手道連盟 極真会館 中村道場 大阪なにわ支部 支部長・師範小林悟
空手歴47年。中村道場最古参の師範。7段。
多くの大会選手を輩出しているが、空手競技だけに限らず、『武』を学ぶ道場を運営している。
空手道以外でも、合気道、柔道、剣道、レスリング、サンボ、柔術などの有段者であり、そこから融合された技術は、打撃だけに止まらず、投げ技や関節技、武器術と広がり、空手の型分解や護身術、スポーツ競技以外の「武術」の技として指導が行われている。
また、「日本武道」の精神と歴史についても造詣が深く、合宿時での講演は好評を博している。
2025年1月には、南米チリに講師として招かれ、サマーキャンプにて、実技と武道精神論についてのセミナーを行っている。
◆極真会館 中村道場 七段
昭和54年(1979. 1.17)。旧・関西本部(大阪市・福島区)へ入門。
※関西圏で始めてオープン(昭和53年10月)された極真会館東京本部公認の正式な道場であった。
昭和57年(1982.10.10)初段修得。※関西本部道場初の黒帯修得。
昭和61年~62年(1986~1987)極真会館 兵庫県/大阪南支部 中村道場へ移籍。
昭和63年(1988. 2.21)弐段修得。
平成5年(1993. 6. 4)参段修得。
※平成6年(1994.4.26) 大山倍達 総裁 逝去。
平成17年(2005. 3.13)四段修得。
平成21年(2009. 3.28)五段修得。
※平成28年(2016. 12)中村道場は、武道理念の相違より、極真会館 松井派より離脱。
平成28年(2017.2)六段修得。
令和6年(2024.9.29)七段修得。
◆サブミッション・アーツ・レスリング<SAW> 七段
【サブミッション・アーツ・レスリング 総本山統括師範】
【サブミッション・アーツ・レスリング 関西本部 本部長】
【国際サブミッション・アーツ・レスリング連盟理事長】
平成3年(1991.12)入門。
令和6年(2024.2.4)七段修得。
◆合気道 四段
【昭道館 合気道 天王寺支部 支部長】
平成16年(2004.8)入門。
令和4年(2022.3.27)四段修得。
◆剣道 初段修得(1983.9)
◆柔道 初段修得(2009.9.9)
◆日本サンボ連盟 参段修得(2005.8.26)
◆日本レスリング協会 初段修得(2006.1.23)
◆日本スポーツ柔術協会 五段修得(2000.10)
◆国際武道柔術連盟 四段修得(理事・2006.10)
国際空手道連盟 極真会館 中村道場 大阪なにわ支部 師範代 四段嶋田 薫温
18歳で空手を始め、さらなる可能性を求めて22歳の春に天王寺道場へ入門。入門後は「強くなりたい」という一心で稽古に没頭し、西は九州から長野まで全国各地の大会に挑戦。地方大会から全日本大会まで幅広く出場し、選手としての経験を積む。
2011年、選手を一旦退いた後、慢性腰痛に特化した治療院を開院。バランスや身体操作に着目した指導を行いながら、後進の選手育成に力を注ぐ。現在も生涯空手を志し、自らの鍛錬を続けている。
• 柔道整復師(国家資格)
国際空手道連盟 極真会館 中村道場 大阪なにわ支部 指導員 初段尚広一
中村道場若手選手として期待されている一人。
2024年9月、全世界空手道選手権大会の日本代表選手である。
日本人選手としても身長は低い方だが、試合場で放つパワーは大型選手をも凌駕し、機動力を生かした試合スタイルは、相手に攻撃を与える隙を許さない。多彩な突きの連打、どの間合いからでも放つ蹴り、大技の種類は、試合ごとに成長している。
小林門下生として、試合や空手だけではなく、多くの「武道」にも精通しており、日本武道の礼儀正しさを兼ね備えている黒帯である。
小林 悟支部長・師範
嶋田 薫温師範代
尚 広一指導員